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信頼性について

メカニカルリレー セレクションガイド

1. 信頼性とは

■ 狭義の信頼性

信頼性とは「信じて頼れる性質」ということです。
簡単にいうと「品物が、使用期間中、故障しないで稼働する性質」 = 「故障しない性質」ということです。

■ 広義の信頼性

狭義と広義の分類は次のようなことから始まっています。品物は寿命有限というところから始まっています。つまり、いつかは壊れるということです。故障したときに、捨てるかまたは修理して再び使用するかの2通りがあります。前者を使い捨て品、後者を修理可能品とよびます。
使い捨て品の信頼性は「狭義の信頼性」
修理可能品の信頼性は「広義の信頼性」
です。
広義の信頼性は、修理再使用を考える時は、「故障しない性質」という狭義の信頼性の他に「故障した時の修復のしやすさ」、すなわち保全性を併せて考えてください。
信頼性 (狭義) + 保全性 = 広義の信頼性
ということです。最近ではこれに加えて設計の信頼性を重視するようになってきました。
まとめますと信頼性は元来は、耐久性 = 故障しない、少ないことを意味していましたが、信頼性が広がるにつれて容易に修理できること、すなわち保全性が重視されるようになりました。さらに人間-機械系の信頼性が注目され、設計信頼性が加わってきた訳です。

広義の信頼性

■ 固有の信頼性と使用の信頼性

信頼性はメーカーでつくり込まれます。これを「固有の信頼性」といい、「狭義の信頼性」が中心になります。
また、ユーザが使用する面の信頼性を「使用の信頼性」とよびます。保全性を含んだ「広義の信頼性」が焦点になります。
リレーなどでは、使用の信頼性が、使われ方を考慮した選択などのサービス面で重要です。

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2. 信頼性の尺度

信頼性の尺度にはさまざまなものがありますが、最も多く使われるものをあげてみます。

尺度 表示例
信頼度 R (T) 99.9%
MTBF 100時間
MTTF 100時間
故障率 λ 20 Fit、1%/時間
セーフライフB10 50時間

■ 信頼度

「信頼できる度合 (%)」を表わしています。
今10個の電球を100時間つけっ放しにした時、100時間後に10個全部が点灯していたとすると信頼度は 10/10 = 100% です。
3個しか点灯していなければ信頼度は 3/10 = 30% です。
JIS Z8115の定義では、

  • 系・機器・部品などが…… 部品、ユニット、製品、システムすべてが対象
  • 規定の条件のもとで…… 環境、使用条件
  • 意図する期間中…… 使用期間、規定の時間
  • 規定する機能を遂行する…… 故障なしで稼働する
  • 確率…… 確からしさ

となります。

■ MTBF

Mean Time Between Failuresの略です。
「平均故障間隔」と訳されています。
「修理しながら使用する系、機器、部品などの相隣する故障間の動作時間の平均値」ということです。
MTBFの対象は「修理しながら使用する」ものに限定されています。
MTBFがわかっているとその製品は「何時間無故障で使えるか」、「何時間使用した時に修理すれば良いか」などを知ることができます。
また、MTBFは故障までの寿命を示している訳ですから、寿命のかわりにMTBFが代表的に使われます。

■ MTTF

Mean Time To Failureの略です。
「故障までの平均時間」と訳されます。
「修理しない系、機械、部品などの故障までの動作時間の平均値」となります。
MTTFの対象は「修理しない品物」 = 「使い捨て品」です。
部品・材料などが主対象になり、リレーもこの中に含まれます。

■ 故障率

Failure Rateと呼ばれ「故障の起きる割合」です。故障率には「平均故障率」と「瞬間故障率」の2種類があります。
平均故障率は次のように定義されます。

平均故障率 = 総故障数 / 総稼動時間

一般に故障率という場合は「瞬間故障率」を指します。「ある時点までに作動してきた系、機器、部品などが引き続く単位期間内に故障を起こす割合」ということです。
故障率の単位としては %/時間 が多く使われます。故障率が小さい部品などは単位として

Fit (Failure Unit) = 10-9/時間

が使われます。
リレーでは時間で表現しにくいため %/回数 が多く使われます。

■ セーフライフ

信頼度の裏返しで

1 - R (B) = t%

となるような値Bを言います。
一般には B [1 - R (B) = 10%] が多く使われます。
場合によってはMTTFよりも現実的な値になります。

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3. 故障

■ 故障とは (failure)

信頼性が高いということは、いかに故障が少ないかということです。
この故障とは一般には「物が壊れて使えなくなること」を指します。
しかし、場合によっては機能の低下、不十分な状態までも故障と考える必要があります。
つまり、「系、機器、部品などが規定の機能を失うこと」となります。

■ 故障特性・バスタブ曲線

ある製品が生産され、使用期間を経て廃棄されるまでの生涯の故障率の推移は図のようになります。
その形から、バスタブ曲線とよびます。製造完了時点を時間軸の "0" 点としてタテ軸に故障率をとっています。

1) 初期故障時間
1) における高い故障率は初期故障期間と呼ばれ、この期間の故障は初期故障といわれています。潜在していた設計ミス、工程での欠陥などさまざまな弱点が使用初期にあらわれるものです。この種の欠陥を早く見い出し、動作を安定させる必要があります。
この過程をデバッギング (debugging) といい、エージング、スクリーニングなどが行われます。
2) 偶発故障期間
初期故障がおさまると、次はかなり長時間にわたって故障率の安定した期間 2) がきます。故障率がほぼ一定ということは故障がランダム (時間的に) 発生することを意味し、この期間を偶発故障期間、故障を偶発故障とよびます。この期間の故障率 "0" にすることは当然望まれることですが、現実には不可能で、なるべく "0" に近づけるようにしてください。
3) 摩耗故障期間
偶発故障期間が過ぎると故障率が漸次高くなる期間 3) が続きます。これは摩耗、疲労などにより寿命がつきることによります。
この期間を摩耗故障期間、故障を摩耗故障とよんでいます。この種の故障に対しては、事前の予知による取替えなどで予防できます。リレーの場合、実績や実機での性能確認で、ある程度予測できるものです。また、リレーの使用が意図されるのは、偶発故障期間だけであって、この期間の長さを寿命とよびます。

■ ワイブル解析

故障のパターンを分類し、寿命特性を分析するには、ワイブル分布を主体として、ワイブル解析がよく用いられます。

ワイブルの分布曲線は

です。複雑なように見えますが、変数 m、α、γ の3つが織り込まれただけです。

m : 形状パラメータ
α : 尺度パラメータ
γ : 位置パラメータ

とよびます。
実際の故障分布の形にワイブル分布をあてはめるには、上記の3つの変数が推定できればよいのです。

面倒な計算式を使うかわりにワイブル確率紙を用います。ワイブル確率紙の特長は次のようなものです。

  • 1.ワイブル分布が寿命分布の実際に一番よく近似しています。
  • 2.ワイブル確率紙は取り扱いが容易です。
  • 3.いろいろな型の故障が混在していても、図上で識別できます。

前述のバスタブ曲線との関係は次の通りです。形状パラメータmの値が、その故障がどんな型のものかということを表わしています。

(1) m < 1 の場合 : 故障の型は、初期故障型になります。
(2) m = 1 の場合 : 故障の型は、偶発故障型になります。
(3) m > 1 の場合 : 故障の型は、摩耗故障型になります。

機器設計の際は、『最新の商品仕様書』にてご確認願います。

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信頼性について
各種リレー共通(パワー,安全,シグナル,高周波,高容量,インターフェイスターミナル)
JP 131.7KB 2022年6月15日
Reliability
Power Relays(Over 2A), Safty Relays, Signal Relays(2A or less), Microwave Devices, High-capacity DC Cutoff Relays and Interface Terminal.
EN 53.5KB 2022年6月15日
关于可靠性 CN-Simplified 416.1KB 2019年8月9日

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