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高周波回路に使用されるリレーには一般的なリレー特性以外に高周波特性が要求されます。 |
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アイソレーションはクロストークと呼ばれることもあり、一般的なリレーの絶縁抵抗に相当します。
高周波においては、接点が開いている時に、接点間で信号の漏れが発生します。
信号の漏れの程度をアイソレーションといい、入力電力Pinと漏洩電力、つまり出力電力Poutの比でdB(デシベル)表示されます。
下の計算式で得られるアイソレーションの値は、大きいほど漏れが少なく良い特性を示します。
周波数が大きくなると漏れが大きくなり、アイソレーションの値は小さくなります。
アイソレーション(dB)= | ![]() |
通常アイソレーションは同極間のことを言いますが、接点構成が2cタイプの場合は、異極間のアイソレーションも重要な特性になってきます。
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挿入損失とも呼ばれ一般的なリレーの接触抵抗に相当します。
高周波においては、接点が閉じている時に、接点間で信号の損失が発生します。
信号の損失の程度をインサーション・ロスといい、入力電力Pinと出力電力Poutの比でdB(デシベル)表示されます。
下の計算式で得られるインサーション・ロスの値は、小さいほど損失が少なく良い特性を示します。
周波数が大きくなると損失が大きくなり、インサーション・ロスの値は大きくなります。
インサーション・ロス(dB)= | ![]() |
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高周波回路においては、信号が一方向に流れるとは限りません。インピーダンス(詳細は後述)の不整合(ミスマッチング)があると信号は、その地点で反射します。
インピーダンスの不整合は、水道管に例えるとわかり易いでしょう。
水道管の太さ(インピーダンス)が途中で変わると水(信号)はスムーズに流れません。
高周波回路ではインピーダンスの整合が重要なポイントとなります。
一般的なリレーの特性の中には反射に相当する特性はありません。
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信号の反射の程度をリターン・ロスといい、接点ON時の入力電力Pinと反射電力Prefの比でdB表示されます。
下の計算式で得られるリターン・ロスの値は、大きいほど反射が少なく良い特性を示します。
周波数が大きくなると反射が大きくなり、リターン・ロスの値は小さくなります。
また反射が大きくなると当然正確な信号伝達ができないのでインサーション・ロスの値も大きくなります。
リターン・ロス(dB)= | ![]() |
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反射の程度を表すもうひとつの特性としてVSWRがあります。
このVSWRの値は、1に近いほど反射が少ないといえ、良い特性を示します。
VSWRはVoltage Standing Wave Ratioの略であり定在波比とも呼ばれます。
周波数が大きくなると反射が大きくなり、VSWRの値は大きくなります。
なおVSWRはリターン・ロスと次の関係式があります。
例) | : |
VSWR:1.1= リターン・ロス : 約26dB VSWR:1.2= リターン・ロス : 約21dB VSWR:1.5= リターン・ロス : 約14dB |
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インピーダンスとは簡単に言えば抵抗と考えればいいのですが、高周波回路では回路上を小さな抵抗Znがたくさん並んでいると考える必要があります。
回路上にならぶこのZnの値がすべて同じであればインピーダンスの整合がとれており反射はありませんが、異なる場合には反射が発生し、正確な信号伝達ができなくなります。
ただし、高周波回路では回路全体のインピーダンスは、単純な抵抗の様に足し算ではでてきません。
従って75Ω系の高周波回路に特性インピーダンス50Ωのリレーを使用すると反射が大きくなってしまいます。
インピーダンスは使用機器により定まっており、代表的なものとして50Ω系と75Ω系があります。
例) ・50Ω系:通信、計測器 ・75Ω系:TV、CATV
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リレーの場合、完全に50Ω系、75Ω系に整合することは現在の技術では非常に困難ですがリレーにより50Ωに近いか75Ωに近いかを知っておく必要があります。
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