高周波デバイスとは
リレーに要求される高周波特性
高周波回路に使用されるリレーには一般的なリレー特性以外に高周波特性が要求されます。
要求される値は使用される機器により異なりますのでユーザーに十分確認する必要があります。
リレーの種類によって高周波特性が異なりますのでユーザーの要求仕様により推奨リレーが異なってきます。
まず高周波を論じる上で必要最低限の特性の説明をします。
高周波特性には次の5つがあります。
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1.アイソレーション
アイソレーションはクロストークと呼ばれることもあり、一般的なリレーの絶縁抵抗に相当します。
高周波においては、接点が開いている時に、接点間で信号の漏れが発生します。
信号の漏れの程度をアイソレーションといい、入力電力Pinと漏洩電力、つまり出力電力Poutの比でdB(デシベル)表示されます。
下の計算式で得られるアイソレーションの値は、大きいほど漏れが少なく良い特性を示します。
周波数が大きくなると漏れが大きくなり、アイソレーションの値は小さくなります。
アイソレーション(dB)= |
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通常アイソレーションは同極間のことを言いますが、接点構成が2cタイプの場合は、異極間のアイソレーションも重要な特性になってきます。
例) |
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10dB=1/10の漏れ(10%の信号の漏れ)
20dB=1/102の漏れ(1%の信号の漏れ)
30dB=1/103の漏れ(0.1%の信号の漏れ)
60dB=1/106の漏れ(0.0001%の信号の漏れ)
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2.インサーション・ロス
挿入損失とも呼ばれ一般的なリレーの接触抵抗に相当します。
高周波においては、接点が閉じている時に、接点間で信号の損失が発生します。
信号の損失の程度をインサーション・ロスといい、入力電力Pinと出力電力Poutの比でdB(デシベル)表示されます。
下の計算式で得られるインサーション・ロスの値は、小さいほど損失が少なく良い特性を示します。
周波数が大きくなると損失が大きくなり、インサーション・ロスの値は大きくなります。
インサーション・ロス(dB)= |
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例) |
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0.1dB=約 2%の信号の損失
0.2dB=約 5%の信号の損失
1.0dB=約20%の信号の損失
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3.リターン・ロス
4.VSWR
反射の程度を表すもうひとつの特性としてVSWRがあります。
このVSWRの値は、1に近いほど反射が少ないといえ、良い特性を示します。
VSWRはVoltage Standing Wave Ratioの略であり定在波比とも呼ばれます。
周波数が大きくなると反射が大きくなり、VSWRの値は大きくなります。
なおVSWRはリターン・ロスと次の関係式があります。
例) |
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VSWR:1.1= リターン・ロス : 約26dB
VSWR:1.2= リターン・ロス : 約21dB
VSWR:1.5= リターン・ロス : 約14dB
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5.特性インピ-ダンス
インピーダンスとは簡単に言えば抵抗と考えればいいのですが、高周波回路では回路上を小さな抵抗Znがたくさん並んでいると考える必要があります。
回路上にならぶこのZnの値がすべて同じであればインピーダンスの整合がとれており反射はありませんが、異なる場合には反射が発生し、正確な信号伝達ができなくなります。
ただし、高周波回路では回路全体のインピーダンスは、単純な抵抗の様に足し算ではでてきません。
従って75Ω系の高周波回路に特性インピーダンス50Ωのリレーを使用すると反射が大きくなってしまいます。
インピーダンスは使用機器により定まっており、代表的なものとして50Ω系と75Ω系があります。
例) ・50Ω系:通信、計測器 ・75Ω系:TV、CATV
■高周波回路の考え方  |
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リレーの場合、完全に50Ω系、75Ω系に整合することは現在の技術では非常に困難ですがリレーにより50Ωに近いか75Ωに近いかを知っておく必要があります。
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RAリレー
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1GHz対応 3W通電 (1GHz) 50Ω 2c リレー |
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RD同軸スイッチ
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最大26.5GHz対応 SPDT、トランスファ、SP6T 同軸スイッチ |
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RJリレー
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最大8GHz対応 1W通電 (5GHz) 50Ω 2c リレー |
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RNリレー
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最大8GHz対応 150W通電 (2GHz) 50Ω 1c リレー |
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RSリレー
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3GHz対応 10W通電 (3GHz) 50/75Ω 1c リレー |
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