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サーボモータはどのようなモータ?

私たちの体は脳からの指令で、足や腕、指の関節を細かく動かすことができる機能が備わっています。これは脳からの指令で関節にあるモータが、指示通りの位置で素早く正確に止まる/動くという動作を繰り返しているとみることができます。こうした高精度な動きを実現するモータが「サーボモータ」です。
例えば、生産ラインで稼働するロボットや工作機械で使われるモータは、指定した角度で回転を止めたり、負荷の大小にかかわらずトルクを一定で回転したりと、高度な制御が必要とされます。一般的に、モータは一定速度で回転させますが、動かしたり止めたり精密な動作を正確に制御したいときには、脳からの指令で人の関節の動作と同じような動きをする「サーボモータ」を使います。
では、サーボモータとは、どのようなモータなのでしょうか?

サーボモータとは?

サーボモータは動力の供給を目的とする一般的なモータと異なり、指定したとおりに動きを細かく制御できます。サーボとは、ラテン語の「Servus」(命令に忠実)という言葉に由来します。
例えば、指定した回転数で安定して動く、指定した角度(位置)だけ回転して停止するといった、正確で精密な制御が必要な際に使用されるのがサーボモータです。同じような制御を、通常のモータで行なおうとしても、回転した角度や回転数を検出する仕組みがないため、正確性に欠けます。

サーボモータには、ロータリーエンコーダと呼ばれる、正確な回転数や角度を検出するための機構があるため、フィードバックによって高精度な回転制御を行えることが特長です。ロータリーエンコーダはパルス信号を出力するので、そのパルス信号をカウントしながら制御しています。

サーボモータの構造と仕組み

サーボモータは、どのような構造・仕組みで精密な回転制御を行うことができるのでしょうか?

サーボモータが動く仕組みや原理

サーボモータの回転部分が動く仕組みは、通常のモータなどと同じ原理で動いています。サーボモータには、誘導型モータ(インダクションモータ)と、同期型モータの、大きく2つあります。

■誘導型モータ
誘導型モータは、磁束(磁石)と電流の作用(フレミングの左手の法則)によって発生する力によって動きます。棒状の導体または巻線を持つロータ(回転子)と、筒状の筐体に巻線を収めたステータ(固定子)からなり、ステータの巻線に交流電流を流すことで発生する回転磁界によってロータが回転します。この誘導型モータを「ACインダクションモータ」と呼びます。

■同期型モータ
同期型モータは磁石同士の吸引と反発で動くモータで、多くのサーボモータは同期型モータです。永久磁石を使ったロータと、複数の巻線を配したステータからなり、ロータの磁石をうまく吸引・反発するようにステータの巻線に流す電流を切り替えることで回転します。

同期型モータ

サーボモータの構造

サーボモータはモータとして動く部分と、回転角(位置)や回転速度を検出するロータリーエンコーダ部分に分かれます。
モータとして動く部分は誘導型、同期型それぞれの構造のモータと同様の構造をとっています。これだけでは通常のモータと変わりません。

サーボモータ

サーボモータの特長でもあるロータリーエンコーダ部分は、中心から放射状に細い穴(スリット)が開いた円形の回転板と発光素子、受光素子で構成されます。
発光素子からの光は回転板のスリットを通して受光素子に届きますが、回転板が回転することで受光素子に届く光は、明滅します。この明滅を電気的にパルス信号に変換して、制御装置に送っているのです。
なお、ロータリーエンコーダ以外にも回転角や速度を検出する方式はありますが、ロータリーエンコーダは電気信号処理がしやすく、分解能も高いといった特長から、ほとんどのサーボモータにロータリーエンコーダが使われています。

ロータリーエンコーダ

サーボモータのシステム構成

サーボモータは、モータとサーボアンプのセットで構成されます。上位コントローラから指定した位置や速度で回転するようにサーボアンプへ指令が送られます。サーボアンプはエンコーダからのフィードバックの偏差と上位からの指令値とエンコーダからのフィードバック値の偏差に応じてモータに電流を細かく制御します。

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サーボモータが制御するもの

サーボモータでは、精密な回転制御を行うためにいくつかの制御対象があり、それぞれの用途によって使い分けることができます。

位置制御

エンコーダはサーボモータの回転子の角度も検出可能なことから、ある角度で停止する細かい位置制御が可能です。サーボモータを採用する目的は位置制御を行うため、と言えるほど代表的なサーボモータの制御です。

工作機械

速度制御

一定の時間にエンコーダから送られてくるパルス信号の数で速度を検出して、時間当たりのパルス数=回転速度を一定に保つ制御方法が速度制御です。搬送用コンベアなど、一定速度で回転し続けるような場合に有効な制御方法です。

撹拌機

トルク制御

サーボモータにかかるトルクを一定に保つように制御する制御方法です。 トルクはモータに流れる電流に比例するため、電流を一定に保つよう調整します。例としては、巻き取り装置など、引っ張りの張力を一定に保ちたいような場合に有効な制御方法です。

フィルム巻き取り装置

サーボモータの代表的な用途

精密な動きの制御が可能なサーボモータですが、具体的にはどのような機器に利用されているのでしょうか?

産業用ロボット

自動車製造の自動生産ラインで活躍する溶接や塗装、搬送を行うロボットの駆動部に使用されています。
細かい位置制御を行うことが可能なため、正確な溶接や塗装したい位置で停止させ、作業を行った後に次の工程に送るといった作業に使用されています。

産業用ロボット

工作機械

機械製造の高度化に伴い、CNC旋盤などの精密加工ができる工作機械が登場しています。
こうした高精度な機械加工が必要な工作機械には多くのサーボモータが活用されています。金属への穴あけや切削加工などを行うため、高精度な位置制御はもちろん、高精度に高トルクを出力可能なサーボモータが活用されています。

工作機械

半導体製造装置

半導体製造には多くの精密な工程を早く行う必要があります。
半導体ウエハーの製造装置には非常に多数のサーボモータが使われています。搬送をはじめ各工程で極めて精密な位置制御を行い、さらに素早い動作の要求にも対応しています。

工作機械

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サーボモータの種類と比較

DCサーボモータとの違い

DCサーボモータは、ロータの巻線に直流を流す整流子モータを使うものです。
直流モータは安価な反面、ロータへの電力供給にブラシと呼ばれる機械的な接点を使うため、摩耗による消耗などで寿命が短いという短所があります。 DCサーボモータは、主に200W以下の小型サーボモータ用途で用いられますが、ACサーボモータでも対応可能であり、また位置制御のみが必要であればステッピングモータを使用することもあります。

ステッピングモータとの違い

ステッピングモータは、サーボモータが持つエンコーダ部分がなく、ステータの各位置にある電磁石を励磁することで、ロータの永久磁石をその位置で止めるという構造のモータです。滑らかに回転するのではなく、各位置でステップを踏むように動いていくことからステッピングモータと呼ばれます。
ステッピングモータは、サーボモータが持つエンコーダ部分がなく、ステータの各位置にある電磁石を励磁することで、ロータの永久磁石をその位置で止めるという構造のモータです。滑らかに回転するのではなく、各位置でステップを踏むように動いていくことからステッピングモータと呼ばれます。

ACサーボモータの特長

ACサーボモータは、通常の産業用モータに使われている機械的接点がない構造のモータを利用していることから、堅牢で故障が少ない反面、ステータの巻線に流す交流電流の周波数制御が必要となり、DCサーボモータと比較して制御が複雑となります。
近年では技術の進歩によって、小型化が進み、巻き線の絶縁強度も高められることから高出力タイプのACサーボモータも登場しています。
現在のサーボモータでは、制御の幅が広く、小型から大型までの多くのラインアップのあるACサーボモータが主流です。

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パナソニック インダストリーのサーボモータ

パナソニック インダストリーでは、幅広い用途で小型から大型、高出力が必要な用途にも対応ができるMINAS A6ファミリーをはじめとするACサーボモータを取り扱っています。
産業用ロボットや半導体製造装置、工作機械、搬送機械まで、サーボモータでさまざまな高精度な制御を実現します。

ACサーボモータMINAS

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