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> SSR使用上のご注意
ディレーティングは、信頼性設計上において必要不可欠なものであり、製品寿命にかかわる重大な要素になります。
本製品の使用条件(使用温度、電流、電圧など)が、絶対最大定格以内での使用においても、高負荷(高温、高湿、高電流、高電圧など)で連続して使用される場合は、信頼性が著しく低下するおそれがありますので、絶対最大定格に対して十分なディレーティングを取り、実機にてご確認のうえご使用ください。
また、用途の如何にかかわらず、人命ならびに財産に多大の影響が予測され、高い安全性が求められる機器に使用されるときは、保護回路や冗長回路などの二重回路を設けて機器の安全性を図ると同時に、安全性テストの実施をお願いいたします。
各端子の電圧・電流値が絶対最大定格を超えた場合、過電圧・過電流により内部素子の劣化が起こります。著しい場合には配線の溶断やシリコンP/N接合部の破壊に至ることもあります。
従って、ご採用に当たっては最大定格値は瞬時といえども超えることのないように設計してください。
本品の使用はトライアックの点弧用に限定し、トライアックがオンする条件で使用してください。
33番端子はリレー内部回路に使用していますので、外部回路を接続しないでください。(6pin)
5番端子はゲートと接続しています。
5番端子と6番端子を直接接続しないでください。
リレー通電中に入出力端子間を短絡すると内部ICが破壊することがありますのでご注意ください。
規格以下の負荷を使用される場合、誤動作することがありますのでダミー抵抗を使用してください。
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入力端子に逆方向サージ電圧が加わる場合は、入力端子と逆並列にダイオードを接続し、入力端子に逆耐圧以上の逆電圧を印加しないでください。
その代表的な回路例を下記に示します。
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入力側に大きなノイズやサージが印加された場合、誤動作が起こったり、破壊することがあります。このような場合、C、Rなどによるノイズ吸収回路を挿入してください。
その代表的な回路例を下記に示します。
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各商品の推奨動作条件をご参照お願いいたします。
また、これらの条件はご使用環境の影響を受けますので、その他項目も合わせてご確認お願いいたします。
入力側の電源にリップルがある場合は、次のことに注意して使用してください。
①Emin.にてLED電流は「推奨入力電流値について」の値を確保してください。
②Emax.にてLED電流50mA以下にしてください。
①Emin.にて操作電圧の最小値以上を確保してください。
②Emax.にて操作電圧の最大値以下にしてください。
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下図に一般的なトライアック駆動回路を示します。負荷側にノイズやサージが印加されると誤動作が起こったり破壊することがありますので、スナバ回路やバリスタを挿入してください。
その代表的な回路例を下記に示します。
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①AC出力タイプ
負荷側に大きなノイズやサージが印加された場合、誤動作が起こったり破壊することがあります。このような場合、バリスタを挿入してください。
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②DC出力タイプ
絶対最大定格を超えるスパイク電圧が発生する誘導性負荷の場合は、負荷に発生するスパイク電圧を制限してください。
その代表的な回路例を下記に示します。
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はんだフラックスなどの洗浄は、有機溶剤による浸漬洗浄をおすすめします。やむを得ず超音波洗浄を行われる場合は下記条件内とし、事前に不具合発生の無いことを実使用状態において十分にご確認のうえ、ご採用いただくようお願いします。
注)超音波洗浄槽の単位面積(底面積)に対する超音波出力をあらわします。
①IRS法(リフロー)
(推奨条件 リフロー回数:2回以下、測定箇所:端子はんだ付け部)
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②その他表面実装はんだ付け方式
上記以外のはんだ付け方法(VPS、ホットエアー加熱、ホットプレート加熱、レーザー加熱、パルスヒーター加熱など)については、リレーに与える影響が異なりますので、実機にてご確認のうえご使用ください。
③はんだこて法
コテ先温度:350~400°C
はんだこて:30~60W
はんだ時間:3秒以内
①DWS方式
(推奨条件 回数:1回、測定箇所:端子はんだ付け部温度*1)
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②その他浸漬はんだ付け方式(推奨回数:1回)
予備加熱:120°C以下 120秒以下 測定箇所:端子はんだ付け部
はんだ付け:260°C以下 5秒以下※ 測定箇所:はんだ温度
※フォトトライアックカプラ、AQ-Hは10秒以下
③はんだこて法
こて先温度:350~400°C
はんだこて:30~60W
はんだ時間:3秒以内
●はんだは合金組成Sn3.0Ag0.5Cuのものを推奨いたします。
吸湿した状態ではんだ実装時の熱ストレスを加えると水分が気化、膨張し、パッケージ内部の応力が増大し、パッケージ表面に膨れやクラックなどが起こる場合があります。本品は湿度に敏感であるため防
湿密封包装していますが、保管の際には以下の点にご注意ください。
●防湿密封包装パック開封後は、速やかにご使用ください。
(0~45°C 70%RH以下の環境下で30日以内にご使用ください)
●防湿密封包装の開封後、長期保管される場合は、シリカゲルを入れた防湿袋などでの防湿包装で保管してください。(90日以内にご使用ください。)
周囲雰囲気が高温多湿下で温度が高温から低温に急変するとき、または低温中から高温多湿中へ急に移したとき、水蒸気が凝縮しリレーに水滴が付着する現象です。結露により水分が付着した場合、絶縁劣化などの不具合の原因になります。結露による不具合は保証いたしかねます。
搭載されている機器の熱引き現象により、結露を促進させることがありますので、実使用状態における最悪条件での評価をお願いします。(特に製品近傍に高発熱体がある場合は注意が必要です。)
※各図をクリックすると拡大図が開きます。
フォトトライアックカプラ、AQ-Hソリッドステートリレーは下図において、1番端子がストッパーBの方向となるようにスティック包装されております。プリント板実装時リレーの方向性にご注意ください。
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SSRの負荷電圧の大きさとしては許容電圧以下であっても、リアクタンス分が大きい誘導負荷の場合は電圧が非常に早く(dv/dtが大きく)なるので、入力の有無とは無関係に出力が導通してしまうことがあります。(L負荷誤点弧)。
当社SSR系列にはスナバ回路を内蔵しています。(AQ-Hを除く)ここでは一般的なスナバ回路の選定について述べます。
SSR回路におけるCの充電時定数τは①式となります。
τ =(RL+R)×C………①
dv/dt耐量以下になるよう①式を設定すると、
C=0.632VA/((dv/dt)×(RL+R))…②
となります。C=0.1~0.2μFに選定すると、dv/dtは数V~数+V/μs以下に制御できます。コンデンサはMPコンデンサまたは金属化ポリエステルフィルムをご使用ください。100Vラインでは250~400V、200Vラインでは400~600Vのものをご使用ください。
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R(コンデンサCからの放電電流を制限するもの)がない場合は、SSRのターンオン時に急峻な立ち上がり(dv/dt)でピーク値の高い放電電流が流れます。
そのためSSR内部の素子が破壊することがありますので、必ずRを挿入することが必要です。一般的には100VラインでR=10~100Ω、200VラインでR=20~100Ω程度を挿入します。(ターンオン時の放電電流の許容値は、SSR内部素子により異なります)。Cからの放電電流、充電電流によるRの電力損失Pは、③式のようになりますが、100Vラインでは1/2W、200Vラインでは2W以上のものをご使用ください。
P= |
C×VA2×f | ………③ |
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2 |
f=電源周波数
またターンオフ時にCと回路のLでリンギングして、SSR両端にスパイク電圧が発生します。Rはこのリンギングを防止する制動抵抗として効果があります。またRは無誘導抵抗が良く、炭素皮膜か金属皮膜抵抗が多く使用されています。
一般にはC=0.1μF、R=20~100Ωをお奨めします。また誘導負荷では共振する場合がありますのでご注意ください。
SSRを用いて信頼性の高い機器や装置にするためには、熱的取り扱いには十分ご注意ください。
特に電力損失により、接合部における熱の放熱については、SSRの機能および寿命の点からみて重要となります。 ※1: 商品、ご使用条件によって異なる場合がございます。各商品ごとにご確認ください。 |
表1 専用放熱器
※2 DINレールに取り付け可能なスリム放熱器 |
SSRを用いて、高信頼性回路を設計するためには、SSRの特性・限界値などをご理解のうえ、適切な保護素子を組み込んでください。
SSRの負荷電源には種々の要因で発生する過電圧に対して、その発生要素を知り、対策を取ってください。
過渡電圧に対する素子の保護方法には、次のような方法があります。
(コントロールドアバランシェ素子など)
スイッチの開放を変圧器の2次側で行い、遮断速度の遅いスイッチを使用する。
CRサージアブソーバあるいは、バリスタを電源側あるいは、SSRの両端に接続する。
特に、電源投入時、電源開放時などのサージ電圧および外来サージが素子定格電圧の値を超えないようにご注意ください。定格を超えるサージが発生する場合、サージ吸収回路とサージ吸収用素子 (例: ZNRパナソニックインダストリー製) を挿入してください。
ZNRの定格電圧の選択
① 電源電圧のピーク値
② 電源電圧の変動値
③ ZNRの劣化 (1 mA±約10%)
④ ZNRの許容差 (定格電圧の±10%)
たとえば 100 Vラインの場合、
① x ② x ③ x ④ = (100 x √2) x 1.1 x 1.1 x 1.1 = 188 (V) の定格電圧をもつZNRを選択します。
ZNRの製品例(パナソニックインダストリー製)
形式 | バリスタ電圧 | 最大許容 回路電圧 |
最大制限電圧 | 最大平均 パルス 電力 |
エネルギー耐量 | サージ電流耐量 | 静電容量 (参考値) |
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(10/1000μs) | (2ms) | 1time | (8/20μs) 2time |
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V1mA (V) | ACrms (V) | DC (V) | V50A (V) | (W) | (J) | (J) | (A) | (A) | @1KHz (pF) | |
ERZV14D201 | 200 (185~225) | 130 | 170 | 340 | 0.6 | 70 | 50 | 6,000 | 5,000 | 770 |
ERZV14D221 | 220 (198~242) | 140 | 180 | 360 | 0.6 | 78 | 55 | 6,000 | 5,000 | 740 |
ERZV14D241 | 240 (216~264) | 150 | 200 | 395 | 0.6 | 84 | 60 | 6,000 | 5,000 | 700 |
ERZV14D271 | 270 (247~303) | 175 | 225 | 455 | 0.6 | 99 | 70 | 6,000 | 5,000 | 640 |
ERZV14D361 | 360 (324~396) | 230 | 300 | 595 | 0.6 | 130 | 90 | 6,000 | 4,500 | 540 |
ERZV14D391 | 390 (351~429) | 250 | 320 | 650 | 0.6 | 140 | 100 | 6,000 | 4,500 | 500 |
ERZV14D431 | 430 (387~473) | 275 | 350 | 710 | 0.6 | 155 | 110 | 6,000 | 4,500 | 450 |
ERZV14D471 | 470 (423~517) | 300 | 385 | 775 | 0.6 | 175 | 125 | 6,000 | 4,500 | 400 |
ERZV14D621 | 620 (558~682) | 385 | 505 | 1,025 | 0.6 | 190 | 136 | 5,000 | 4,500 | 330 |
ERZV14D681 | 680 (612~748) | 420 | 560 | 1,120 | 0.6 | 190 | 136 | 5,000 | 4,500 | 320 |
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SSRを用いた回路に過電流に対する保護が行われない場合、SSRを破壊することがあります。半導体から見た場合、連続通電する過負荷オン電流に対し、定格接合温度を超えないようにSSRの選択および回路設計をしてください。
(例:モータ、白熱電球などの突入電流)
半導体の寿命中に、数十回程度以下の頻度でしか生じない過電流に対しては、サージオン電流定格が適用されます。この定格に対しては、保護協調の器具が必要です。
過電流に対する素子の保護方法には、次のようなものがあります。
限流リアクトルを電源に直列に挿入する。
限流ヒューズあるいはブレーカを電源に直列に挿入する。
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SSRの最も適した負荷で、ゼロクロス効果によりノイズ発生を大幅に低減することができます。
タングステンランプ・ハロゲンランプなどは突入電流が大きく流れます。(ゼロクロス方式SSRで約7~8倍、非ゼロクロス方式で最悪9~12倍程度)この突入電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。
AC駆動電磁開閉器およびソレノイドバルブは、起動時に突入電流が流れます。この突入電流のピーク値がサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。特に小型のソレノイドバルブ、AC駆動リレーについては、漏れ電流によりSSRがOFFとなっても負荷の両端に電圧が残り、負荷が誤動作する場合があります。このような場合、負荷に並列にダミー抵抗を接続してください。
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電動機の始動時には全負荷電流の5~8倍程度の始動電流の対称交流分に直流分が重畳され、さらに大きくなります。この始動電流が流れる時間、すなわち始動時間は負荷と電源容量の大きさによりそれぞれ異なります。実際の使用状態で始動電流と始動時間を測定し、この始動電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定してください。
なお、電動機負荷を遮断すると電動機の逆起電圧のために電源電圧以上の電圧がSSRに印加されます。誘導電動機の場合には約1.3倍、同期電動機の場合には約2倍の電圧となりますのでご注意ください。
正・逆運転時には電動機の逆起電圧のために始動電流と始動時間が単なる始動時に比べ、大幅に過酷な負荷となりますので、この場合も実測してください。
コンデンサ始動形単相誘導電動機の場合には、正・逆制御時にコンデンサの放電電流が生じますので、必ずSSRと直列に抑制抵抗または、限流リアクトルを挿入することが必要です。また、SSR出力両端には、電源電圧の倍電圧が発生するため、SSRの許容電圧に充分注意してください。
なお、可逆制御を行う場合は、正転用SSRと逆転用SSRが同時にONしないように設計してください。
コンデンサ負荷(例:スイッチングレギュレータなど)にSSRを使用する場合、コンデンサにチャージングする間の突入電流が流れます。この突入電流のピーク値がSSRのサージオン電流値の50%以下になるようSSRを選定ください。また、SSRと直列に接続されているスイッチの開閉時に、1サイクル以下の誤動作をする場合があります。その場合はdv/dt抑制のリアクタンスL(200~500μH)をSSRに直列に挿入してください。
一般の電子装置には、通常、ラインフィルタが内蔵されています。このラインフィルタのコンデンサにより、主電源スイッチの開閉時にSSRがdv/dtによる誤動作をする場合があります。この場合は、SSRに直列dv/dt抑制用のリアクタンス(200~500μH)を挿入してください。
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※フォトトライアックカプラ、AQ-Hは電流駆動タイプです。
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フォトトライアックカプラ |
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産機・家電向けフォトトライアックカプラ |
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AQ1ソリッドステートリレー |
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3 A/10 A高容量制御可能なプリント板端子タイプ |
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AQ8ソリッドステートリレー |
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厚さ9 mm、高絶縁耐圧3,000 V AC、2 A/3 A制御のSILタイプ |
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AQ-A (AC専用) ソリッドステートリレー |
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負荷電流 シリーズMax. 40 A 小型ネジ端子SSR |
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AQ-A (DC専用) ソリッドステートリレー |
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DC制御に適した小型ネジ端子SSR |
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AQ-Gソリッドステートリレー |
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1 A/2 A制御可能なスリム形状プリント基板用 |
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AQ-Hソリッドステートリレー |
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小型DIPタイプでAC負荷対応 |
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AQ-Jソリッドステートリレー |
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小型タブ端子SSR スリム放熱器一体型もラインアップ |